バンクーバー男子滑降を制した(デファゴ)
長野五輪以来の最長の競技延期を経て、日本時間火曜早朝に冬季五輪の華中の華、男子滑降が行われました。

滑降は、一発勝負(二回目計時はない)の競技です。
しかも、今回は練習時と雪の状態が異なったこと、そして誰もが忘れかけていたビッグ・ネームが突如大舞台で復活したことで、波乱の展開を見せました。

そのビッグ・ネームが、ミラー(アメリカ)。
計32個のワールドカップメダルを持つ男が、この五輪では第一シード権なしで、露払いとなる最初の組のスタートって屈辱。
ところが、彼が他の選手より0.42秒速いタイムを計時。
後から登場した第一シードの選手が、ことごとくこのタイムの壁に敗れ、よもや?の雰囲気が流れ出しました。
硬直した状況を破ったのが、古豪スイスチームの中では期待されていなかった(三番手扱い)デファゴ。
その差、0.09秒。
この後滑った有力選手でも、これに迫れたのはデファゴに0.02秒遅れだった、スビンダルのみ。
この3人で、メダルが確定しました。
あのミラーが早々に出した速いタイムに、今季上位を占めてはいるものの経験の重みがない選手たちが自滅していった感じでした。
ただ、メダルを取った選手たちも、皆、完璧に滑ったとは言えない内容。
これが、今回のレースの難しさを、表していると思います。

さて、精神力の強さを問われるなど、興味深い内容ではありましたが、コース設定が滑降とスーパー大回転の間くらいの雰囲気、あまり速度が出ないテクニカルなものでして、迫力は今ひとつでした。
滑降は、クラウチングスタイルのまま高速でジャンプ!ってイメージでしたので、その点は物足りなかったですね。